ひきよせ9日目(自動車事故と神様)
一週間ぶりの更新です。
昨日クリスマスイブまでの一週間、7泊8日で中米コスタリカに女二人旅してました!
コスタリカは、本当に素晴らしくて素晴らしくて、どうして日本にあんまりしられてないんだろう??って不思議なくらいでした。メキシコ行く人はそれなりにいても、コスタリカにピンポイントで行く人ってあんまりいないよね?
私は全力でコスタリカオススメします!!!
さて、コスタリカの話はたくさん書きたいことがあるのですが・・・
今日は、今日は旅行中の事故について書きたいのです。
長文になります。
それは旅行5日目のことでした・・
第三の滞在地モンテベルデから第四の滞在地マニュエル・アントニオまで約200キロの距離をレンタカーで移動していた私と友人。ちなみに私は免許を持っていないので、旅行中の運転は全部友人。
コスタリカでは、どんな田舎でも比較的Free WiFiの環境が行き届いていましたが、それでも一度車に乗ってしまうとネットワークはありません。Googleマップで行き先設定をしても、何かの拍子に画面が元に戻ったりなんやかんやがありつつ、iPhoneのGPS機能を駆使してドライブをしていました。
5日目のその日は・・
移動距離もちょっと多めで。
しかもGoogleマップで行き方が複数出てきて・・
移動するたびに違う検索結果が出てきたりして・・
最終的に信頼することにした道を進んで行ったら、舗装されていない砂利道の山道に突入してしまいました。
走っても走っても、カーブが多く勾配も激しい山道が続き・・
登って登って、下り始めたと思ってはまた登り道で、運転していた友人もストレスがピークを超えていました。
私は「いつか抜ける」と信じて、無事に着いて夜には海が見える宿でのんびりすることをイメージしながらひたすら祈り続けていました。
そんな山道を3時間くらい進んだ頃でしょうか・・夕方16時頃だったと思います。
下りのカーブを曲がるとき、車が滑って・・・ブレーキがきかなくなり・・
「え?え?ちょっと・・」と思った瞬間
ドン!!
という音とともに目の前が真っ白になり
・・・・
目を開けたら、しぼんだエアバッグが目の前にありました。車は溝にハマって横転していました。左ハンドルで左から右に滑り落ちたので、運転していた友人が下に、助手席の私が上にいました。
どんな会話を交わしたか覚えていませんが、二人とも意識ははっきりしていました。
(生きてる!二人とも生きてる!)
私は動こうとしたら、右足が痛んで立ち上がるのがきつく感じました。友人の方が軽やかに動けたので、友人がまず私の頭上を登って車の外に脱出し、助けを呼びに行ってくれました。
彼女ならば必ず助けを呼んで状況を説明してくれることを知っていたので、車に残った私は、痛む足をかばいながらシートベルトを外し、恐る恐る立ち上がりました。運転席側のフロントガラスにヒビが入っていました。
まずは助けの人がきてくれた時、すぐに移動できるようにと座席においていた荷物の回収を始めました。
私も友人も、微塵もパニックになることなく、実に冷静で、現実的でした。
私が一人残った車の中で考えていたのは・・
充電していたiPhoneのアダプタ発見。これは持って行こう。携帯重要。持って行こう。食料は絶対あった方がいい、お菓子もリュックに詰めておこう。あ、私のカメラが落ちてる。壊れてない、よかったー!友達のサングラス割れてない、じゃあリュックにしまっておこう。そうだ、私絶対サンダルからスニーカーに履き替えておきたいけど・・スニーカーはどこだろう?見つからんなー。後部座席においておいたはずなんだけどなー。
等々。
横転したままの車の中でガサゴソと、散らばった荷物の回収をできる限りしていたら、スニーカーを見つける前に早くも助けがきてくれました。
そこは本当に何もない、道も舗装されていないような山奥だったのにもかかわらず、です。
30代か40代くらいの男性でしょうか。頼もしい感じの人が私に手を差し伸べて、車から出してくれました。男性と一緒に、やや若めのおばあさんとおじいさんも一緒にいました。
後から聞いたら、その男性の職業はなんと警察官でした!なんて偶然!彼はクリスマス休暇で実家に帰ってきているようでした。
私たちは二人とも英語とフランス語はできますが、スペイン語はできません。でも友人の方が私よりも英語もフランス語もはるかに堪能で、スペイン語の言語勘があったので多少の意思疎通はできました。
まずその警察官が「これレンタカーなの?レンタカー情報あるかな?」とダッシュボードの書類を探し出して、レンタカー屋に電話してくれました(さすがの現場対応能力!)。その間に、空に向かって突き出たトランクを開けて、二人のスーツケースを出し、彼女の免許証を出したりしました。
(トランクを開けてスーツケースを出せるくらいの深さの溝でよかった・・)
それから、おばあさんが「あそこが私たちの家なのよ。あそこで休んで」と指差す先を見たら、確かに事故現場のすぐ向かいに掘っ建て小屋のような家の玄関が見えたのでした。
レンタカー屋さんが来るまで約3時間くらいでしょうか・・
シャワーで傷口を洗わせてもらい、コスタリカのコーヒーを淹れてもらい、昼寝(シエスタ)してもいいよと寝室に案内されたり(気が高ぶっていたのでお昼寝は気持ち的にできなかった)、お腹空いてる?と夕飯を作ってくてたり・・神様が救ってくれたのね、と何度も優しく抱きしめてくれたり、ネットがないと不便だろうとモバイルデータ通信の同期でwifiを貸してくれたり・・・
とにかく至れり尽くせりに私たち二人を助けてくれて、癒してくれて、救ってくれてました。
レンタカー屋を待っている間に私が思っていたこと・・
それは・・
死ななくてよかった。生きてる。二人とも生きてる。
二人とも無事だった。骨折もしてなさそう。
携帯もカメラもスーツケースも何もかも持ち物は無事だった。
何も失ってない。誰も轢いてない。誰も死んでない。
ちょっと怪我しただけで済んだ。
カナダに住んでる最中にした海外旅行で自動車事故起こして、父親に申し訳ない。心配かけてパパごめん。本当にごめん。
Rさん(友人)、大丈夫かな。怪我私より軽くてよかった。
でも自分が運転してたから責任感じるよね。辛いよね。それが一番辛いよね。
でも本当に二人とも無事でよかった。助けがすぐに見つかってよかった。
助けてくれた人たちが神様や天使みたいに優しい人たちでよかった。
連絡が取れてよかった。荷物があってよかった。落ちたのが崖じゃなくて良かった。
重たいスーツケースも取り出せる程度の深さの溝で良かった。
そう、心から思いました。私は友人の方が心配でした。
友人には、愛ちゃん冷静すぎ天才、とか愛ちゃん超ポジティブまじ尊敬する、とか言われ、こんな緊急事態でそんな自分がいることに初めて知って、自分でも驚きましたが、褒められてかなり満更でもない気分に。笑
(えらいねすごいねって人一倍褒めてほしい自分がいたことにも、この旅行を通じて気がつきましたがそれはまた別のお話)。
私は、全体的に右半身を負傷して・・
右足の親指の打撲、右足のすね広範囲(外傷と打撲)、右膝の痛み、右の鎖骨の派手な擦り傷、鼻とあごの擦り傷、おでこを打った感じの頭の痛み、右目の内出血などがありました。
友人は、膝に外傷があってガラスの破片が少し傷についていたようでしたが、丁寧に取り除いてシャワーであらって、それ以外は色々打ってはいても目立った負傷はないようでした。
夜も深まった頃、レンタカー屋さんのスタッフが道に迷いながらも到着しました。
幸いにも、私たちの次の目的地の隣町に借りてた車のレンタカー屋の事務所があったので、そこからきてくれました。目的地まで残り1時間半の距離まできていたのも幸いだったように思います。
初めは、事故検証に運転手が立ち会わないといけないということで、私たちも帰れなそうだったのですが、そのスタッフの人が機転を利かせて「病院に連れて行かないといけないから、乗ってた二人だけ先に連れて帰りたい」と上司に交渉してくれて、事故車を残して私たちだけ下山するよう取り計らってくれました。
その日泊まる予定だったAirBnBは18時までにチェックインしないとダメときつく言われていた厳しめの宿だったので、電話をお借りして状況を説明しつつ、宿の人と話し合うも21時までに来れないようなら申し訳ないけど鍵を渡せないからキャンセルしてもらうしかないと言われ、仕方なくキャンセルしました。
下山できても宿無しになってしまった私たちですが、警察官の彼がレンタカー屋近くの安宿を予約してくれて、なんとかその日のベッドを確保することができました。ありがたい。
ちなみに、私たちは、私たちの直感によるスペイン語と警察官の携帯のGoogle翻訳さまによるスペイン語⇄英語の筆談で意思疎通をしていました。テクノロジーありがとう。
そうして、夜20時頃、お世話になったお家の方達に感謝をしてお別れをし、レンタカー屋さんスタッフの運転で砂利道の山道をさらに1時間半下山して、ケスポという町の病院に連れて行ってもらいました。
(正直、私は父が医者である関係もあって病院に行く習慣がゼロなので、どうせ大丈夫そうだから病院なんて行かなくてもいいかな、海外の病院って高いんでしょ?と実は思ったりもしたのですが、他方で頭を打って頭の奥が痛かったことには不安もあったので、「ここは甘える」「ここはちゃんと(外国で怖くても)病院に行く」「そして安心する。周りにも安心してもらう」を意識的に選択しました。)
無事に病院について、レンタカー屋さんが受付とかを全部やってくれ、比較的スムーズに緊急外来の受診をさせてもらえました。
そしてなんとですね。私の旅の連れの友人はモントリオールで看護婦さんをやっているのです!
なので、英語とフランス語が堪能でスペイン語の勘もある彼女と現地人のレンタカー屋さんの二人がいてくれたら、旅行先の言葉が通じない病院でも安心して受診できて。
問診の後、血液検査、尿検査、X線、エコーと鎮痛剤の点滴をしてもらいました。
そんなにたくさん検査してくれるのに)「CTはしないの?吐き気も少しだけどありますけど」と聞いたら、It’s awesome for youと枕詞がつきつつ、見た感じ私には必要ないからしない、とのことでCTはありませんでした。
さほど重傷とも思われない私一人のために、友人とレンタカー屋に夜遅くまでずっと付き合わせて申し訳なさでいっぱいでした。しかも、病院のクーラーききすぎで超寒いし。
でもレンタカー屋さんは、文句や嫌味のひともひとつ言わず、「いいんだよ」と優しく待ってくれました。友人も「付き添うの当たり前だよ!!」と言ってくれました。
そうして全てが終わったのが深夜の1時・・
こんなにたくさん検査して、海外の病院高いんだよね、、、海外保険とかめんどいな、やったことないんだよな、と不安を感じつつ"Quanta?|(いくら?)(←いま調べたら正しくはQuanto?だったww)と片言のスペイン語を駆使してかかった費用を聞いたら
"No it's free!"
えーーーー!
そんなことってありえる?
"Parque??"(なんで?)(←これも今調べたらPor queだったw)と聞いても"No se"(わかんない)と無料の理由は不明。挙句に鎮痛剤のお薬まで無料で処方してくれました。
なんでタダなの?としつこく聞くと「知らないけど、外国人だからじゃない?アメリカ人はお金持ってるから高いかもしれないけど。とにかく君はラッキーだったんだよ」とか「多分だけど事故で、緊急外来だったからじゃないかな」とかなんとも腑に落ちない回答が。
制度的な詳細は知りませんが、旅行前にわざわざamazon.co.jpで日本から取り寄せた「コスタリカの奇跡」というドキュメンタリーでやっていた、軍隊を廃止して軍事費を教育や医療にあてたというコスタリカの革命的改革とその中で培われ根付いた国民性みたいなものを感じて、とても感動しました。
そうして・・
深夜1時過ぎ、警察官が予約してくれた病院近くの安宿で、クレジットのマシーンが壊れてるから現金払いと言われつつ、ほぼ有り金全部を使って、その日を終えることができたのでした。。。。
(続く)
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